かつてネットワーク地球村で環境問題を熱心に勉強していた頃・・・。
「なぜ、環境破壊が起こるのか?」「 なぜ、環境破壊は止められないのか?」を考えていくワークを体験した。
その前段としてまず「この地球にとっていらないものは・・・?」とみんなで意見を出し合う。
「戦争」「武器」「武器商人」「開発=自然破壊」「大量生産・大量廃棄」「必要以上の二酸化炭素」「車」「タバコ」「格差」「政治家」・・・などなど様々な意見がでる(笑)。
そしてひとつひとつ何が原因でそれが起こっているのかを考えた時、例えば「戦争」にせよ「開発」にせよ、それらを引き起こす主原因は結局のところお金の問題だということに気づく。
そして、待ったなしの地球環境破壊から我々人類が生き延びるために「お金」というものが無くなったら・・・という前提でどんな社会ができていくのかということをみんなで想像する。
・給料もなくなるから誰も仕事に行かない。
・預貯金も借金もなくなる。
・スーパーで買い物してもタダなので勝手に持ち帰る。
・でもそのうち誰も作らないから、モノもなくなるよね。
・略奪とか頻繁に起こって治安が悪くなる。
・そうなるとやがて殺し合いも・・・。
・でも困った人を見かけたら、助けてあげる人もいるんじゃないかな。
・自分が農家だったら、作物を作って分けてあげたい。
・電気が止まったら、電力会社の人間は電気が使えるようにするんじゃないのかな?
・水道局の人も・・・。
などと悲観的な意見が、やがて建設的な意見へと変わっていく。奪い合うのではなく分かち合うという前提に立たなければ、社会そのものが機能していかないことに気づく。それまでと同じように誰もが働くようになる。変わったことは、すべてがタダだということ以外は。
その時には何がこの危機を招いたかということを知っているし、より儲けようという考えそのものがないので、無駄な過剰な生産や開発はなくなる。自然界のルールに沿って必要最小限という消費に変わる。しかし前段で話した、地球にとって必要のない仕事は当然なくなっていく。
やがてスーパーやコンビニに普通にモノが並ぶようになるが、たくさん作っても儲かるわけではないので社会にとって必要な量だけ作るようになる。いつでもタダなので買い占める人もいない。それぞれが必要な量だけを持ち帰り、分かち合う。どこに住んでも家賃もかからない。固定資産税もない。車だって、車メーカーはみんなの便利のためにより地球環境に優しいものを必要数だけ開発する。エネルギーも自然エネルギーに変わる。その車もタダなので必要な時に必要な人が使う。金銭的価値がないので所有欲を満たすという感覚は消える。いろんなモノをみんなでシェアして使うようになる。むしろみんなに喜んでもらうことが自身の喜びとなる。
ある意味理想だが、人類が貨幣というものを持つ以前から、人類は何万年、何十万年も生きてきた。動物として弱い人間は群れを成し、協力し合って生き抜いてきた。技術が発達し進歩した現代社会においても、今とさほど変わらない生活を維持しながら、「お金のない社会」を創っていくことは決して夢物語ではない。考え方、価値観を変えるだけなのだと思う。
そんなことに気づかされたワークだった。
しかし、今の経済発展を最優先する現代社会の中で、自然に沿う生き方=自給自足を目指したところで限界があるし、地球時計は滅亡に向かって時を刻み続ける。
今回の新型コロナ騒動で世界的に経済活動が制限されている。しかしそのことで、大気汚染が改善され「インドからヒマラヤ山脈が数十年ぶりに見れた」ということがニュースになっていた。
おそらくこの騒動は残念ながら、まだまだ続きそうだし弊社にとっても死活問題だ。
でも・・・。
世界が、日本が、我々自身が疲弊しきったとしても、この問題が解決した暁には、「お金のない社会」的な地球再生方法こそが、実はもっとも現実味のあるたくさんの人が幸せを感じる再生手段なのではないかと思う。そして、そういう方向で社会が動いていくような方向に転換しなければ、また人類は同じような危機を幾度となく経験することになるのではないだろうか。

北出敏行

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