今月8月22日、ついにBRICS通貨がスタートする。
世界の基軸通貨のドルではなく、各国が保有する金銀等に裏付けされたそれぞれの通貨で公平な取引を行う新しい経済圏が確立される。BRICSとは、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの頭文字からきているが、この5か国に加え、現在約60か国の国々、アメリカでもテキサス州などの20州もこのブリックスへの参加を表明している。ほとんどのアフリカ諸国、中東諸国、日本・韓国・シンガポールを除いたアジア諸国や南米諸国もブリックスへの参加を検討しているらしい。
おそらく数年で世界人口の7~8割、GDPでも8割を超える巨大経済圏が誕生する。
つまりアメリカ、ヨーロッパ、日本などのいわゆる西側諸国以外は、ドルから離れ、新しい公平なルールの下、新しい貨幣価値に基づいた経済圏を確立していくというわけだ。
今までの世界経済は、無尽蔵にドルを刷れるアメリカが圧倒的に有利で、世界中の資源を欲しいままにしてきた。それに追随する西側諸国(日本を含む)が自分たちに有利なルールを押し付け、国際ルールを決めてきた。それに従わないものは、時には軍事力で押さえつけてきた。その一方的な支配がついに終わろうとしている。
ブリックスに参加する多くの国の特徴は、ほとんどが資源国だということだ。その資源をタダ同然で奪い、経済を発展させ、潤ってきたのが西側諸国。我々は学校教育の中で、そういう国々は「教育レベルが低いから豊かになれない」と教えられてきた。でも事実は、公正な取引がされなかったからからだ。それぞれの国に、それぞれの文化や習慣がある。それを認めずに西側の価値観や文化が正しいとそのルールを押し付けてきた。ブリックスはそれぞれの国の文化や習慣を認め合いながら、共に発展していこうとする経済圏でもあるようだ。
今回のウクライナをきっかけに、かつてのイラクやリビアのように西側に反する国を武力で制圧するというやり方は、もう通用しない。日本のマスコミでは、ロシアや中国は傍若無人な侵略者という報道で我々日本国民を洗脳してきたが、SNSの発達によって世界のリアルを知ることができるようになり、本当はそうでなかったことも多いことが分かってきた。傍若無人だったのは、我々西側諸国だったのではないかと思う。だから、西側以外のほとんどの国がブリックスに集まるのではないだろうか。
資源の少ない西側10数国だけが世界から取り残されようとしている。残念ながら日本もそこに含まれている。
ドルが崩壊する。金融が大きく変わる。つまり、我々の生活も大きく変わるということだ。

北出敏行

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