アメリカの小売業をインターネット通販のアマゾンが席巻し、実店舗を展開する百貨店から衣料・生鮮食品店までが相次いで苦境に陥っている・・・らしい。急激な変化に業界からは「パニック状態」との悲鳴も上がっていると時事ドットコムが報道した。アメリカの大手百貨店JCペニーは、三ヶ月で127店の閉鎖。カジュアル衣料品のギャップも今月6日、約200店の閉鎖を発表したと伝えている。また、大手スポーツメーカーのナイキもアマゾンでの直販を検討せざるを得ないとしていて、もしそうなれば一般小売業者や小売店は大きな打撃を受け、多くの人の職が失われるとしている。
アマゾンの凄いところは、ネット通販だけでなく、その資金力で大手スーパーなどの実店舗を吸収して、オーガニック食品などの消費者が求める商品を実販売でも安価に提供するということにもある。「ネットだから安い・便利 だけではなく、アマゾンは安くてモノがいい」という戦略を着実に歩んでいる。
日本でも宅配便の問題がクローズアップされたが、アマゾンならいずれは本当に自社で物流網を構築することも本気で考えているのだろうと思う。
インターネットを利用した小売販売においては、まさに世界一の巨大企業と化したアマゾン。良い悪いは別にして、現在の時流に最も乗っているいる企業であることは間違いない。
さて、確かにアマゾンは便利だ。自分も良く利用していて、今年だけで50回くらいはポチっている。自分が主に買うものはキャンプ関連の安価なグッズが中心だ。ネット通販は安いとよく言われるが、実は実店舗のほうが安いものもけっこうあったりする。では、何故、自分がアマゾンで頻繁に買い物をするのかをちょっと考えてみた。
① 年間3900円を払ってプライム会員になると、送料が無料。→ ガソリン代がかからず結局は安い
② 実店舗にはない品揃え。→ 欠品で買えないという機会ロスがほとんどない
③ ちょっと時間が空いたときに手軽に買える(買ってしまう)→ 時間がとられない
④ クレーム対応がしっかりしていて面倒でない → 交換や返金処理もスムーズ
⑤ 『あなたにオススメの商品』を人工知能が提案してきて「ヘェ〜、こんな商品があるんだ!」と思わずポチ ッ! → 買い物自体が楽しい
⑥ お客様レビュー = クチコミが確認できる
というのが主な理由だ。
当然買って後悔する商品もあるが、それも良しとしている。
それでも、やっぱり一番ワクワクする買い物は、大好きなキャンプ用品を実店舗の秀岳荘で買うことだ。当然品揃えではアマゾンには及ぶはずもないが、それでもおそらくアウトドアショップとしては、日本一の品揃えを誇る(と思う)。新しい最先端の商品から、マニアックな商品、定番の商品まで揃っていて、実際に商品を手に取りながら店員さんとあーだこーだと話すのがとても楽しい。ずっと使い続けている大切な道具はやはり秀岳荘で買いたいと思うし、実際かなり買っている(笑)。平日の昼間でも、背広を着たアウトドア好きのサラリーマンたちが立ち寄ったりしていて、いつも賑わっている。
きっと秀岳荘の店員さんたち自身もアウトドアが好きで秀岳荘に入社し、自分の体験を通じてお客様と一緒に大好きなアウトドアの話をすることが楽しくて仕方がないのだと思う。だからお店の利益ではなく、自然とお客様(山好き仲間)の利益に寄り添える仕事となり、支持を得、会社を支えているのだと思う。アウトドア好きが集まるサロンであり聖地、それが秀岳荘だ。
複雑に見えて、実は世の中はシンプルな方向へ動いている。自分の好きなこと、大切に思っていること、楽しいこと、心地よいこと、仲間を大切にすること、という当たり前の事が生きる基本になりつつある。商売、仕事もその同じ流れの中にある。
自分の仕事も、美容室経営もきっと同じ。ネット販売におけるマイナス要因を可能な限り消したアマゾンは凄いと思う。顧客満足度も高い。だが、秀岳荘のように自分の好きなことを仕事にする事ほど、ある意味お客様にとっての満足度が満たされることはない。自分にとっては、好きなキャンプに行くのと同じくらい秀岳荘に行くのが楽しみになっているのだから。
アマゾンにせよ秀岳荘にせよ、見習うべきところは沢山ある。参考にできるところは参考にしながら、自分の特技を活かし、好きなことを思いきり楽しんでお客様を大切にしていけば、いつの時代にも必要とされる。きっと、その方法は100通りだってあるはずだ。

北出敏行

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