2018年9月6日午前3時7分、胆振東部地震は起こった。
自分の住む札幌西区は震度5弱ほどの揺れだったが、下から突き上げるような衝撃に目を覚まし、数十秒間の横揺れが続く。さらに大きな揺れが来るのではないかと、とても怖かったことを覚えている。これはとんでもない地震が起こったと直感した。まりりんとアンディも怖かったのだろう。地震後しばらくは、自分の傍をずっと離れなかった。
地震発生から17分後。電気が使えなくなる。明るくなって被害の全貌が徐々伝えられ始めたが、なんと「北海道全エリア停電となるブラックアウト」が発生。地震の被害の無かった道北や道東でも停電となった。情報源はラジオとインターネットだけ。当たり前のように電気のある暮らしをしている我々にとって、電気がないことの不便さを身をもって知ることとなった。
電気で動いているすべてのモノが使えなくなる。冷蔵庫は冷えない。給湯器も使えない。テレビも見れない。当然夜になっても電気は点かない。そして情報源であるスマホの充電もできない。
水道に関しては一戸建ての我が家の場合「直結直圧方式」のため、すぐに復旧して使えるようになる。
結局3日ほどしてブラックアウトも解消されたが、震源地となった厚真町や震度6を計測した札幌東区、極端な地盤沈下の起こった札幌里塚地区などの被害は深刻で、今なお復旧が終わっていない場所も多い。
あれから2年。
年々自然災害の規模が大きくなり、数十年に一度と言われる豪雨や台風が毎年いくつも発生するようになった。復旧途中でまた新たな災害が起こり、人々の生活を壊していく。加えてウイルスによるコロナ禍で世界経済は停滞。未だに終息せず解決策も見えないままだ。
300年続いた江戸時代が終わり日本では近代国家の明治時代が始まるが、江戸時代が終焉を迎える数十年は地震などの災害が頻繁に起こった。生きることに大変な人が増え、社会を変えたい・暮らしを変えたいと思うエネルギーが多くの人を突き動かしたことは想像に難くない。これから南海トラフ地震や首都直下型地震などが起こるとも言われている。今の社会システムや税配分の在り方ではもはやこの国が立ち行かなくなることは、このコロナ禍の中で明白になってきた・・・。
2011年の東日本大震災で原発の大罪を経験しながらも、脱原発に踏み切れない世界で唯一の被爆国日本。
ご近所の寿都町が核のゴミ捨て場になるとかならないとかの話が最近新聞紙面を賑わしているが、何故かテレビではあまり取り上げられない不都議(笑)
矛盾だらけの日本という国。
変わるのを待つのではなく、変わっていくのであれば少しでも人や自然に寄り添う方向に社会を変えていく・・・そんな積極的な生き方が、意志が、勇気が、本当は我々自身に求められている。

北出敏行

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